日経225オプション概要(取引高・建玉残高)
【概要】
上部のチャートは、日経平均株価(ローソク足)と、日経225オプション(期近物)の取引高・建玉の「P/C レシオ」と ITM(イン・ザ・マネー)比率の推移を示しています。日経平均の動きと、コール/プットのどちらに取引や建玉が偏っているか、ざっくりと把握するためのグラフです。
中央のチャートは、限月ごとの建玉残高を日次で集計したものです。正の棒がコール、負の棒がプットを表し、どの限月・どちらのサイドに建玉が多く積み上がっているかを見ることができます。
下部のチャートは、限月ごとの取引高の日次推移を表しています。どの限月・どのサイドで売買が活発だったのか、取引高の偏りや盛り上がりを確認するためのグラフです。
※P/C レシオは「プットの数量 ÷ コールの数量」で、1を超えるとプット優勢、1未満だとコール優勢の目安となります。ITM比率は、日経平均の水準から見て権利行使価格が有利な(イン・ザ・マネーの)オプションが、全建玉のうちどれくらいを占めているかを示しています。
※P/C レシオやITM 比率は、当日の期近物で計算されています。各月SQ後に大きく値が変動することにご留意ください。
日経225オプション分析(建玉・ガンマ・SQなど)
【概要】
このセクションでは、日経225オプションの期近限月について、建玉分布と日経平均株価・日経VIの市場データを組み合わせ、ポジション構造や価格帯ごとのリスク特性、SQ(特別清算指数)に向けた力学を可視化しています。対象となる建玉は、指定した取引日時点の「日経225オプション(ラージ)」のコール/プット建玉を合計したものです。
上段4つのチャートでは、権利行使価格ごとの建玉分布を起点に、どの価格帯にポジションが集中しているか、どの水準でガンマ感応度が高まりやすいか、仮想SQ値ごとに売り方の清算額がどのように変動するか、建玉割合分布とVIをもとにした理論分布の比較を確認できます。下段のミニチャートでは、直近120営業日の日経平均と日経VIを並べて表示し、現在のボラティリティ環境を把握できます。
ここでの指標やコメントは、建玉データとボラティリティ指標をもとに機械的に独自算出した分析結果です。市場動向・個別材料などは一切考慮されていません。
本データは特定の価格帯や売買行動を推奨するものではありません。
① 建玉分布+ガンマ集中度
権利行使価格ごとの建玉枚数(コール・プット合計)に、推定ガンマ感応度を重ねたチャートです。棒が建玉量、折れ線が「価格変動に対するポジションの反応度(ガンマ特性)」を示します。建玉が厚い価格帯や、ヘッジフローが発生しやすいゾーンを視覚的に確認できます。
② ポジション方向バイアス(相対デルタ曲線)
コール建玉とプット建玉の差分から推定した「相対デルタ」を権利行使価格別にプロットしています。プラス圏はコール優勢、マイナス圏はプット優勢を示し、現値付近の傾きから、価格変動に伴うヘッジフローの出やすさ(トレンドが出やすい環境か、ボラティリティ主導の環境か)を把握できます。
③ SQシミュレーター - 売り方損失曲線(清算額ベース)
仮想的なSQ値ごとに、コール・プットの売り方に発生する清算損失額を合算し、十億円単位で表示したチャートです。計算に用いるのは権利行使価格に対する清算時の損益(ペイオフ)であり、「枚数 × ペイオフ × 1000円」として算出しています。谷は市場全体の負担が小さい水準、山は負担が大きくなる方向を示します。
なお、本指標は売り建て部分の清算額を単純合算したものであり、市場参加者がコール/プットの組み合わせやロング/ショートを併せ持つ場合、実際の損益とは一致しません。最終的な損益は各参加者のポジション構成によって大きく変わる点にご留意ください。
④ VI理論分布
建玉枚数を割合換算した分布と、日経VIをもとに算出した理論分布(正規分布)を比較するチャートです。棒が建玉割合分布、折れ線がVIベースの理論分布を示します。両者の形状を比較することで、ポジションの偏りが強い価格帯や、市場が意識しているレンジを把握できます。
⑤ 日経平均 & 日経VI(直近120営業日)
直近120営業日の、日経平均のローソク足と日経VI終値を並べて表示したチャートです。市場が低ボラ環境にあるか、高ボラ環境にあるかを把握し、上段のオプション指標を解釈する際の背景として利用できます。
